テレワークでの腰や肩の不調に:座りすぎと正しい姿勢の簡単な対策
テレワークが日常となる中で、自宅での仕事環境に慣れてきた一方で、体の不調を感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に長時間同じ姿勢で座り続けることによって、腰や肩のこり、目の疲れなど、さまざまな体の負担が生じやすくなります。
対面での勤務と比べて、通勤や職場内での移動が少なくなり、どうしても座っている時間が長くなりがちです。この「座りすぎ」が、血行不良や筋肉の緊張を招き、体の不調の大きな原因の一つと考えられています。また、自宅の椅子や机が仕事用に最適化されていない場合、無意識のうちに無理な姿勢を続けてしまい、さらに負担が増すこともあります。
しかし、ご安心ください。いくつかの簡単な工夫や習慣を取り入れることで、これらの体の不調を和らげ、健康的にテレワークを続けることが可能です。ここでは、座りすぎによる負担を減らし、正しい姿勢を保つための具体的な対策をご紹介します。
まずは「座りっぱなし」の時間を見直してみましょう
長時間座り続けることの影響を減らすために、意識的に休憩を取り入れることが大切です。「集中しているとつい時間を忘れてしまう」ということもあるかもしれません。タイマーを活用するなどして、定期的に休憩時間を設けることをお勧めします。
例えば、1時間に1回は席から立ち上がり、軽く体を動かす時間を作るようにしましょう。デジタルツールに苦手意識がある場合は、キッチンのタイマーやスマートフォンのアラーム機能を活用するのも良い方法です。休憩時間は短くても構いません。ほんの数分間、体を動かすだけでも効果が期待できます。
休憩時間には「座らない」工夫を
せっかく休憩時間を設けても、そのまま椅子に座ってスマートフォンを見たり、他の作業をしたりしていては、体の負担は軽減されません。休憩中は、座らない時間を持つように心がけましょう。
- 飲み物を取りに行く: キッチンや別の部屋まで移動して、お茶やコーヒーを淹れる。
- 軽く部屋を歩く: 室内で数分間、ゆっくりと歩いてみる。
- 窓を開けて深呼吸: 窓辺に立って外の空気を吸い、体を伸ばしながら深呼吸をする。
このように、休憩中は意識的に「座らない」行動を取り入れることで、血行を促進し、固まった筋肉をほぐすことができます。
正しい座り方の基本を知りましょう
腰や肩の不調を防ぐためには、座っている時の姿勢も非常に重要です。完璧な姿勢を常に保つのは難しいかもしれませんが、基本のポイントを意識するだけでも違いが出てきます。
- 深く座る: 椅子に深く腰掛け、背もたれと背中の間に隙間ができないようにします。
- 足裏全体を床につける: 足裏がしっかりと床についている状態が理想です。もし床につかない場合は、フットレストや厚みのある雑誌などを足元に置いて調整しましょう。
- 膝の角度は約90度: 太ももと床がほぼ水平になるように、椅子の高さを調整します。
- 腕の角度は約90度: 机に手を置いたとき、肘の角度が約90度になるように、椅子の高さや机の位置を調整します。
- 画面の高さを目の高さに: パソコンの画面が目線より低すぎると、首が前に出てしまい負担がかかります。画面の高さを目の高さに合わせるようにしましょう。ノートパソコンの場合は、台や本などを下に置いて高さを調整するのも有効です。
自宅の椅子や机では完璧な調整が難しい場合もあるかもしれません。クッションを使って腰と背もたれの隙間を埋めたり、座布団で座面の高さを調整したりするのも、手軽にできる工夫です。
仕事中にできる簡単な体の動かし方
休憩時間以外にも、仕事をしながら、あるいはちょっとした合間にできる体の動きを取り入れることで、同じ姿勢が続くことによる負担を軽減できます。
- 肩を回す: 肩甲骨を意識しながら、ゆっくりと前回し、後ろ回しを行います。
- 首をゆっくり傾ける: 首を左右にゆっくりと傾け、首筋を伸ばします。勢いをつけず、じんわりと伸ばすのがポイントです。
- 腰を軽くひねる: 椅子に座ったまま、上体を左右にゆっくりとひねります。
- 背伸びをする: 息を吸いながら両腕を上に伸ばし、背中を大きく伸ばします。
これらの動きは、数秒から数十秒でできる簡単なものです。疲れを感じる前に、こまめに意識して取り入れてみましょう。
まとめ:無理なく、今日からできる小さな一歩を
テレワークでの座りすぎや不適切な姿勢は、体の不調につながる可能性があります。しかし、難しいことを一度に行う必要はありません。ご紹介した対策の中から、「これならできそうだ」と感じるものを一つでも試してみてください。
例えば、「まずは1時間に1回は立ち上がってみよう」「座る時は意識して深く腰掛けてみよう」など、小さなことから始めてみるのが良いでしょう。少しずつでも継続することで、体の負担はきっと和らぐはずです。
ご自身の体と向き合いながら、無理なく、今日からできる工夫を取り入れて、テレワークを心身ともに健康に続けていきましょう。