テレワーク時代の心と体の健康維持:仕事モードから休息モードへ、無理なく切り替える工夫
テレワークでの「オンオフ切り替え」の難しさとその影響
長年、職場への通勤を通じて自然に気持ちを切り替えてきた方も多いかと思います。しかし、テレワークになり自宅で仕事をするようになると、以前のように仕事モードとプライベートモードをスムーズに切り替えることが難しく感じられることがあるかもしれません。
自宅は本来リラックスできる場所ですが、そこで仕事をすることで、仕事の緊張感が残りやすくなったり、逆にプライベートのことが気になって集中しにくくなったりすることがあります。このような状態が続くと、心身の疲れがたまりやすくなり、ストレスを感じる原因にもなりかねません。
仕事と休息の区別をしっかりつけることは、毎日を健やかに過ごし、テレワークを長く続ける上で大切なポイントとなります。ここでは、無理なく日々の生活に取り入れられる、オンオフ切り替えの簡単な工夫をご紹介します。
なぜオンオフの切り替えが大切なのでしょうか
仕事をしている時間は集中し、効率的に作業を進めたいものです。そして、仕事が終わった時間はしっかりと心と体を休め、リフレッシュすることが大切です。この「集中」と「休息」のリズムを作ることで、疲れをため込まず、気持ちよく日々の仕事に取り組むことができます。
オンオフの切り替えがうまくいかないと、次のような状態になりやすくなります。
- 疲労が抜けにくい:休息時間も仕事のことが頭から離れず、十分にリラックスできない。
- 集中力の低下:仕事中に気が散りやすく、効率が落ちる。
- ストレスの蓄積:常に緊張状態が続き、心に余裕がなくなる。
- 睡眠の質の低下:頭が冴えてしまい、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりする。
今日から試せる!オンオフ切り替えの簡単なコツ
ここでは、特別な準備や難しい操作が必要なく、すぐに始められる具体的な工夫をいくつかご紹介します。ご自身に合いそうなものから、一つずつ試してみてください。
1. 「始業」と「終業」の軽いルーティンを作る
通勤という明確な区切りがないテレワークでは、自分で意識的に仕事の始まりと終わりを作るのが効果的です。
- 始業前: 着替える、軽いストレッチをする、お茶やコーヒーを一杯淹れる、今日のタスクを手帳に書き出すなど。「さあ、これから仕事だ」という気持ちになるための、簡単な自分なりの合図を決めます。
- 終業後: パソコンを閉じる、仕事道具を片付ける、着替える、部屋の換気をするなど。「今日の仕事は終わり」と区切りをつける行動を決めます。例えば、仕事用のカバンに書類をしまう、引き出しにしまうといった「しまう」動作も、区切りになります。
2. 仕事場所と休息場所を分ける意識を持つ
可能な範囲で、仕事をする場所と、休憩したりリラックスしたりする場所を分けます。物理的に部屋を分けられなくても、仕事中は「この場所で作業する」と決め、休憩中はそこから離れるだけでも効果があります。
- 仕事中の席から離れてみる: 短い休憩時間でも、座ったままではなく立ち上がって窓の外を眺めたり、飲み物を取りに行ったりするだけでも気分転換になります。
- 「仕事椅子」と「リラックス椅子」を決める: 例えば、普段食事やリラックスに使っている椅子とは別の椅子を仕事用にするといった工夫も考えられます。
3. 休憩時間を意識的に確保し、過ごし方を工夫する
休憩は、単に手を休めるだけでなく、心身をリフレッシュさせる大切な時間です。
- 短い休憩をこまめに取る: 集中力が持続する時間には限りがあります。短い休憩(5分〜10分程度)を定期的に挟むことで、疲れすぎを防ぎ、その後の集中力を維持しやすくなります。タイマーを使うのも良い方法です。
- 休憩中の簡単なリフレッシュ:
- 軽いストレッチや屈伸をする
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
- 窓を開けて外の空気を吸う
- 好きな音楽を短時間聴く
- 植物を眺める
- 短い時間だけ目を閉じて休む
4. 仕事後の時間を大切にする
仕事が終わった後の時間をどのように過ごすかで、翌日の活力が変わってきます。
- 趣味や好きなことに時間を使う: 読書、散歩、料理、家族との団らんなど、仕事以外の楽しみを持つことが、気持ちを切り替える助けになります。
- 体を軽く動かす: ウォーキングや軽い体操など、体を動かすことで心身のリフレッシュにつながります。既存の記事で紹介されているような「ながら」ストレッチなども有効でしょう。
- 入浴でリラックス: ゆっくりと湯船に浸かることは、体だけでなく心の緊張もほぐしてくれます。
無理なく、自分に合った方法を
今回ご紹介した方法は、どれも特別な準備や技術を必要としない、どなたでも簡単に試せるものばかりです。大切なのは、すべてを一度に行おうとせず、ご自身の状況や性格に合わせて、無理なく続けられそうなものから取り入れてみることです。
毎日同じようにできなくても心配ありません。時にはうまくいかない日もあるかもしれません。完璧を目指すのではなく、「今日はこれ一つだけやってみよう」というくらいの気持ちで、気軽に試してみてください。
ご自身の心と体の声に耳を傾けながら、テレワークの環境でも心地よく働き続けられるよう、オンオフの切り替えを上手に取り入れていただければ幸いです。