テレワークで感じる「一人での頑張り」に:「できたこと」を見つけて自信につなげる簡単なヒント
テレワークでの働き方が広まり、ご自宅でお仕事をされる機会が増えた方もいらっしゃるかと存じます。オフィスで皆と顔を合わせながら働いていた頃とは違い、一人で黙々と業務に取り組む時間が増え、ご自身の頑張りや進捗が周りの方に見えにくくなったと感じることもあるかもしれません。
特に、長年対面での勤務を経験されてきた方にとっては、このような環境の変化は戸惑いにつながりやすく、時には「本当にこれで良いのだろうか」「自分の仕事は評価されているのだろうか」といった不安を感じる原因となる場合もあるようです。しかし、ご自身の内面と向き合い、日々の「できたこと」に意識的に目を向けることは、テレワークを心穏やかに続けるための大切な要素となります。
なぜ「できたこと」に目を向けることが大切なのでしょうか
私たちの心は、自分が成し遂げたことや、少しでも前に進んだことを認識することで満たされ、次への意欲につながります。これは「達成感」と呼ばれる感覚です。オフィスでは、同僚との立ち話で進捗を報告したり、上司から直接ねぎらいの言葉をもらったりすることで、自然と自分の仕事が前に進んでいることを感じられたかもしれません。
テレワーク環境では、そういった機会が減るため、意識的にご自身の「できたこと」に目を向ける必要があります。どんなに小さなことでも構いません。「今日のタスクを一つ完了させた」「新しいツールを少し調べてみた」「難しい書類に手を付け始めた」といった日々の小さな成果を自分で認め、自分自身を労う習慣を持つことは、自己肯定感を高め、モチベーションを維持するために大変重要です。一人で働く環境だからこそ、ご自身の頑張りを一番よく知っているご自身が、正しくそれを認識してあげることが大切なのです。
「できたこと」を見つける具体的なヒント
ここでは、日々の業務の中でご自身の「できたこと」に気づき、それを積み重ねていくための簡単なヒントをいくつかご紹介します。すぐに実践できることばかりですので、無理のない範囲で試してみていただければと思います。
- 一日の始まりに「今日の小さな目標」を一つ決める 今日一日で必ず完了させたい、具体的な小さな目標を一つか二つ決めてみましょう。「〇〇に関するメールの返信を終える」「△△という資料の初稿を書き始める」など、無理なく達成できそうな内容が良いでしょう。目標が達成できたら、心の中で「よし、できたぞ」と自分を褒めてあげてください。
- 「やることリスト」(ToDoリスト)を活用する 紙のメモやノートでも、スマートフォンの簡単なメモ機能でも構いません。今日やることをいくつか書き出し、完了したら横線を引いたりチェックを入れたりします。終わった項目が目に見える形で増えていくことで、「こんなにできた」という達成感を視覚的に得ることができます。デジタルツールに苦手意識がある場合は、ぜひ手書きのリストから始めてみてください。
- 終業前にその日の「できたこと」を簡単に振り返る 仕事が終わる時間になったら、数分間時間を取って、今日一日で「何ができたか」を思い出してみましょう。予定していたことだけでなく、急な依頼に対応したこと、新しい情報を調べたこと、難しい問題について考えたことなども立派な「できたこと」です。ノートに箇条書きにしても良いですし、頭の中で振り返るだけでも構いません。
- 休憩時間中に「ここまで進んだ」と確認する 短い休憩を取る際に、直前まで取り組んでいた業務のどこまで進んだかを確認してみましょう。例えば、「このページの編集が終わった」「この計算が完了した」など、具体的な進捗を意識するだけでも、「着実に前に進んでいる」という感覚を得られます。
- 完了した成果を「見える化」する工夫をする デジタルファイルであれば特定のフォルダに整理する、物理的な書類であれば完了ボックスに入れる、といった「片付け」の動作も、「これで一つ区切りがついた」という達成感につながります。目に見える形で成果が整理されていくことも、モチベーション維持に役立ちます。
無理なく続けるためのポイント
これらのヒントは、すべてを完璧に行う必要はありません。まずはご自身が一番やりやすいと感じる方法を一つ選んで、気軽に試してみてください。もし「今日はあまり進まなかったな」と感じる日があっても、それは自然なことです。「こういう日もある」と受け止め、「明日はこれをやってみよう」と気持ちを切り替えることも大切です。
ご自身のペースで、小さな「できたこと」を見つけていく習慣を身につけていただければ、テレワークでの日々の業務がより実りあるものとなり、自信を持って心穏やかに働き続けるための力となることでしょう。